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「有期雇用の5年ルール」(2)5年ルールの例外とは?

「有期雇用の5年ルール」(2)5年ルールの例外とは?

目次

  1. 5年ルールの例外とは
  2. 例外となる2種類のケース
  3. 専門的な知識を持つ高度有期雇用労働者の場合
  4. まとめ

5年ルールの例外とは

前回のコラムにてご紹介させていただいた「有期雇用の5年ルール」!
簡単に復習すると、2013年4月以降に締結された有期雇用契約において、5年を超える契約更新があった場合は無期雇用へ転換できる、というルール。
このルール、基本的には条件を満たした労働者が申し込めば企業は必ず雇用を無期に転換しないといけない、というものです。
しかし、中には例外となるケースも存在します。
今回は前回に引き続き、「有期雇用5年ルール」に関してご紹介いたします。

例外となる2種類のケース

このルールにおいて例外となっている有期雇用労働契約は2種類。
1.専門的な知識を持つ有期雇用労働者
2.定年に達した後、引き続いて雇用される有期雇用労働者
以上の2点です。この特別な措置は「有期雇用特別措置法」として平成27年4月1日に施行されました。
ただ、上記2点に当てはまれば無条件で……というわけではありません。
事業主が対象労働者についての計画を作成し、本社・本店を管轄する都道府県労働局に提出。その後、認定が行われていることが前提条件で、無期転換ルールに関する特例が適用されます。
※この計画書にはフォーマットがございます。下記PDFの14.15ページをご確認ください。
高度専門職・継続雇用の高齢者に関する 無期転換ルールの特例について

専門的な知識を持つ高度有期雇用労働者の場合

ここでいう「専門的な知識を持つ」有期雇用労働者は以下の通りです。
「専門職」は以下のいずれかに当てはまる人を指します

■「専門職」は以下のいずれかに当てはまる人を指します

1.博士の学位を有する者
2.公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、税理士、薬剤師、社会保険労務士、不動産鑑定士、技術士または弁理士
3.ITストラテジスト、システムアナリスト、アクチュアリーの資格試験に合格している者
4.特許発明の発明者、登録意匠の創作者、登録品種の育成者
5.大学卒で5年、短大・高専卒で6年、高卒で7年以上の実務経験を有する農林水産業、鉱工業、機械・電機・建築・土木技術者、システムエンジニアまたはデザイナー
6.システムエンジニアとしての実務経験5年以上を有するシステムコンサルタント
7.国、地方公共団体、一般社団法人または一般財団法人等に知識が優れたものであると認定され、上記に準ずると厚生労働省労働局長が認める者

■年収

事業主との間で締結された有期労働契約期間中に、その事業主から支払われる1年間の賃金額が1075万円以上であること。
この2つの条件をいずれも満たし、かつ「その高度専門知識が必要で、かつ5年を超える一定の期間内に完了する業務に従事する」労働者が対象です。
特例の内容は以下の通りです。
高度専門職の有期雇用労働者については、そのプロジェクトに従事している期間は無期転換申込み権が発生しない。※ただし、期間の上限は10年。
しかし、プロジェクトの終了後、引き続き契約を更新する場合や特例条件を満たさなくなった場合(プロジェクトに従事しなくなった、年収が1,075万円を切った)は、通常の無期転換ルールが適用されるのでご注意ください。

■継続雇用の高齢者の場合

定年に達した後も、定年前と同じ事業主や子会社・親会社・関連法人等に引き続き雇用される労働者には無期転換申込み権が発生しません。
ただし、労働者が定年前に無期転換の申し込みをしている場合を除きます。

まとめ

今回のコラムにおけるポイントは、以下の2つ。
【POINT1】有期雇用の5年ルールにおいて、高度専門職と定年後の継続労働者は特例が設けられている。
【POINT2】高度専門職と定年後の継続雇用労働者に関する特例は、事業主が労働局に計画を認定されていなければいけない
いかがでしたか?このルールに限らず、様々な取り決めには例外が存在することも少なくありません。
「これを知っていれば……!」とならないためにも労働に関する法律は正しく覚えておきましょう。

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