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女性の管理職が半数以上、「柔軟な仕組み」が会社を支える

女性の管理職が半数以上、「柔軟な仕組み」が会社を支える

目次

  1. 女性の管理職が半数以上、会社を支える「柔軟な仕組み」
  2. 女性の活躍「チャンスを与えたから」
  3. 母親のような眼差し
  4. まとめ

女性の管理職が半数以上、会社を支える「柔軟な仕組み」

15年前から女性活躍推進に取り組んできたM出版。 結婚・出産・夫の転勤などライフステージの変化を受け入れつつ、すべての女性が活躍し続けることができる仕組みをつくられているそうです。
大阪に本社のあるM出版は、ナース・助産師向け17誌、ドクター向け6誌など、専門領域別の雑誌に特化して成功した出版社です。
いまでは雑誌、教科書、書籍などの紙媒体にとどまらず、動画教材、問題集、医学辞書を収載したデジタル教科書アプリ「デジタルナーシング・グラフィカ」を刊行し、400校以上が採用という実績を誇り、医療・看護教材の業界にイノベーションを起こした企業です。
その立役者が、女性社長のH氏率いる、大勢の輝く女性社員たちだそうです。

女性の活躍「チャンスを与えたから」

2001年、2代目社長に就任したH氏は、女性活躍推進に本格的に取り組み始めました。
現在では20名が参加する経営会議の6割が女性であり、医療出版業界では珍しく女性が編集局長を担っています。
結婚したから、出産したからという理由で退職する社員は、いないそうです。
「医療従事者たちとの折衝に求められる対人コミュニケーションと、編集作業で必要な緻密さという仕事内容が、そもそも女性の特性に合っているとは思います」とH氏は認めていらっしゃいます。
しかし、女性が役職者としても活躍できるとは限らないともおっしゃっています。
では、女性の管理職が半数以上を占めるのはなぜでしょうか?答えはシンプルで、「チャンスを与えたから」とおっしゃっています。
H氏の口癖は「能力を出し惜しみしないで!やれるはずよ」。
性別に関係なく、常に機会を平等に提示し、オープンで公平な評価を下してこられました。
男性は難しい仕事にチャレンジし、昇進することが、すなわち成功だと知っているから、仕事の幅を広げることを厭わない(いとわない)のです。
しかし、女性はそう簡単ではなかったようです。
そこでH氏は、女性に対して仕事での成功を着実に積み重ねて自信を持たせるように取り計らったそうです。
「気構えが整えば、必ず花開く」─そんなH氏の気持ちに応えるように、自信をつけた女性たちはいつしか要職に名を連ねるまでに成長されました。

母親のような眼差し

前述のように経営者・社員双方の思いがあるけれど、それだけでは続かないという現実も存在していました。
仕事を続けることや役職が上がっていくことに対しての抵抗感がなく、女性たちがイキイキと活躍しているにもかかわらず、配偶者の転勤に伴って退職するというケースも珍しくありません。
M出版も例に漏れず、優秀な女性社員たちをやむなく見送るという遺憾な時代もあったそうです。
その悔しさは遂に、広告部門しかなかった東京オフィスに編集部門を新設するに至ったそうです。 夫の転勤が理由で東京異動となった最初の社員さんは、4年後に東京オフィス長に就任されています。
ほかにも大阪・東京間の異動を繰り返しながらキャリアを積み重ねている女性社員の方々も少なくないということです。
20名の陣容にまで拡大した東京オフィスは、現在ではキャリア構築の重要拠点でもあるそうです。
「企業運営でいちばん大事なのは、間違いなく人材です。みんなが活躍し続けてくれれば、会社としては確実に120%の成果を出せる。私だけが頑張ったところで、高が知れています。ひとりでは何もできませんからね」
そういうH氏の眼差しは、まるで母親のようだったそうです。

まとめ

今回のコラムにおけるポイント

  1. 【POINT1】女性の活躍は「チャンスを与えたから」
  2. 【POINT2】親のような眼差しで具現化させる

いかがでしたか?
女性活躍推進法が施行され、その後マスコミなどで賛否両論のトピックを見受けます。 企業では女性管理職比率アップの施策が一層実行されていくとは思いますが、その先に 待っている管理職像が現状と同様のものであっては、総合職が多い女性たちの昇進意欲を刺激することは難しいかもしれません。
女性管理職を増やすためということではなく、抜本的な管理職像の見直しや、企業内 における環境整備など経営幹部一部が考える事だけでなく、全社一丸となり推進して いくことが重要ではないでしょうか。

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