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リクルートが退職者を「卒業生」と呼んで大切にする4つの理由

リクルートが退職者を「卒業生」と呼んで大切にする4つの理由

目次

  1. リクルートでは退職者のことを「卒業生」と呼ぶ
  2. 退職者を積極的に再雇用するリクルート
  3. 現役社員に「社員を大事にする会社」と感じさせる効果
  4. 退職者が「伝道者」となって、会社の良さを広めてくれる
  5. 信頼できる「ビジネスリソース」を社外に確保できるメリット
  6. まとめ

リクルートでは退職者のことを「卒業生」と呼ぶ

リクルートが退職者のことを「卒業生」と呼び、辞めた後もよい関係性を保つ会社であることは広く知られています。
実際、仕事上でも相互にメリットのある状態を作り出す文化があり、仕事や人を紹介したりなど陰に陽に様々な応援をする企業のようです。
一方で世の企業の中には退職者を「落ちこぼれ」や「裏切り者」とみなす会社もあるようですが、なぜリクルートはこんな風に退職者を大事にするのでしょうか?

退職者を積極的に再雇用するリクルート

退職者を大事にする姿勢は、たとえばこんなところに表れているようです。
・退職者の会合に現役社長などが出席する
・退職者の会合に会社が資金を提供する
・退職者を積極的に再雇用する(実は沢山あると聞いています)
退職者を大事にする文化は、個々のリクルート社員にとって極めて自然なことのようです。
特段の「意図」や「目的」などはなく、それによって何か得してやろうとか、そういうことを考えているわけでもない。
だからといって、この文化は自然にたまたまできたわけでないと言われています。
リクルートは元々東大の心理学科の人たちが作った会社です。自らの経営方法を「心理学的経営」と呼んでいるようで、様々なマネジメント手法を意図的に考案、導入しているのだそうです。
ですから、この退職者を大事にする文化についても、きちんとした意図を持って醸成されてきたものだと考えられます。
ではいったい、その目的とは何なのでしょうか。

現役社員に「社員を大事にする会社」と感じさせる効果

退職者を大事にすると、職場に何が起こるのでしょうか。
一つは、自分の行く末を退職者に重ねて見ることで、現役社員は自分を含む社員を大事にする会社だと感じることでしょう。
終身雇用が死語になりつつある現代では、現役社員たちは、それほど遠くない将来に会社の退職者となることが分かっています。
社員を遇する資金には一定の限度があるわけで、たとえば退職一時金やセカンドキャリア支援金の支給など退職者への厚遇は、会社に残る現役社員にとってマイナス影響を与えるケースは少なくないでしょう。
しかし、自分もいつか退職者になるとわかっていれば、退職者を遇することは未来の自分も遇せられるというイメージが湧きますので、比較的抵抗なく受け入れることができます。
だから退職者の厚遇が、現役社員の会社への信頼感を向上させるわけです。

退職者が「伝道者」となって、会社の良さを広めてくれる

また、学校の卒業生でもそうでしょうが、自分の「母校」を愛するあまり、そのイメージを美化していくものです。
言い換えれば、その会社の理想の状態を、きれいな形で保存しておいてくれる存在が退職者であるようです。
そして、その卒業生は社外の人にも良いことをしてくれます。
退職者を大事にすれば、彼らはその会社の伝道者となって、外部の人々に会社の良さを広く伝えてくれるということだそうです。

信頼できる「ビジネスリソース」を社外に確保できるメリット

同じ釜の飯を食べた現役社員と退職者は、価値観を共有する人々なので信頼関係も築きやすい状態にあります。
卒業生の場合は、極端に言えば心理的契約のみで、何らのかの仕事を協働して進めることも可能です。
卒業者ネットワークを大事にすることで、会社はいつでも簡単にアクセスできるビジネスリソースを得るわけです。

まとめ

今回のコラムにおけるポイント

  1. 【POINT1】退職者を積極的に再雇用できる
  2. 【POINT2】現職も退職者も会社に対するイメージを美化しそれを外に広めてくれる
  3. 【POINT3】信頼できる「ビジネスリソース」を社外に確保できる

いかがでしたか?
退職される会社も退職する方も、良好な状態であれば、両者にとってのメリットが沢山ありますね。
このような組織風土とそれに携わってきた人の良好な関係が、現職の方にもこれから入社したいと思う方にも、更にはその会社に様々な形で関連する方々にも、好印象を与えられますね。

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