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スムーズに働くために!知っておきたい「試用期間」の基本

スムーズに働くために!知っておきたい「試用期間」の基本

目次

  1. 試用期間、あるのは当たり前?
  2. 【POINT1】試用期間について、企業が行うべき義務
  3. 【POINT2】本採用を保留する制度があるなら、必ず表記
  4. 【POINT3】入社後一定期間は労働条件が違う場合も注意!
  5. まとめ

試用期間、あるのは当たり前?

「試用期間はあるのが当たり前だから…」と、求人広告に記載しなかったことによりトラブルになるケースは少なくありません。
求人広告に「試用期間がある」とハッキリ明記されていない場合、応募者は「試用期間ないもの」として受け取ってしまうのは必然です。この場合、「面接で話せばいいと思った」などの言い訳は通用しません。募集に際して労働条件を明記するのは求人広告の基本中の基本です。
試用期間があり、その間は給与など労働条件が違うのに表記されていなかった…。
これでは応募者が集まってもスムーズな採用ができません。最初から本採用され、本採用時の労働条件が適用されると思って応募した人なら、会社に裏切られたとさえ感じてしまうはずです。
そもそも、判例において「試用期間」はどのように定義されているのでしょうか?

「試用期間」とは?

判例によると、「試用期間」とは、会社がその期間中に労働者の勤務状況を観察することによって、職務についての適性を判断することです。
また、もし適性がないと判断される場合は本採用を拒否できる「解約権のついた労働契約」であるとされています。
つまり、会社は試用期間中に教育や職業訓練をしながら適性を判断できるということです。
応募側と募集側の双方がスムーズに採用活動ができるように、求人広告における「試用期間」という言葉の取り扱い方について、改めて確認をしましょう!

【POINT1】試用期間について、企業が行うべき義務

法律上、14日を超せば「解雇予告」の義務が生じます

本採用じゃないから、いつでも辞めてもらえる…などと安易に考えてはいけません。
試用期間中でも、勤務が14日を超していれば、30日前の解雇予告、または平均賃金30日分以上の支払い義務があります(労働基準法第20条・21条)

雇用契約書に「解雇の可能性と条件」を明示

試用期間とはそもそも、本採用を前提としたもの。解雇(本採用拒否)に至ると、トラブルが起きやすいのが実情です。
リスク回避のためには、就業規則または雇用契約書に試用期間中・期間終了後に解雇の可能性があること、また、どんな場合に解雇となるかも明記しておきましょう。解雇の条件は、客観的に見て合理的な内容であることが重要です。

不当に長い試用期間は無効とされる例も

試用期間の長さは会社により違いますが、一般的には2~3ヵ月、長くても6ヵ月程度です。これを超える長い試用期間は本来の目的から見て合理性がないため、公序良俗に反するとして無効とされることがあります。
また、試用期間の延長は就業規則などで規定されていない限り、原則として認められません。延長の可能性がある場合は、求人広告にも必ず表記してください。

【POINT2】本採用を保留する制度があるなら、必ず表記

実質的に本採用を保留する制度があれば、それを表記するのが求人広告の基本です。
たとえば「研修期間」「見習期間」が実質的な「試用期間」になっている場合は、名称に関係なく明記する必要があるということです。

【POINT3】入社後一定期間は労働条件が違う場合も注意!

最初から本採用を前提としたうえでの「研修期間」「見習期間」も、その間、給与・勤務地など労働条件に違いがあれば、期間の長さと、その間に適用される労働条件を必ず表記してください。

まとめ

ミスマッチしないよう慎重に採用活動をしても、「実際に働いてみないと分からない」というのは求職者も企業も同じこと。適性が合わないまま働き続けることは、双方にとって良いことではありません。
そういったことを確認するためにも試用期間はありますが、それを意図的に隠してしまうのは後々のトラブルに発展しかねません。注意しましょう!

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