人材関連コラム
2015年8月「女性活躍推進法」が成立しました
この法律により、国・地方公共団体、および301人以上の労働者を雇用する事業主は、平成28年4月1日までに以下を行うことが義務付けられました。
※なお、労働者が300人以下の場合は努力義務になります。
(1)自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析
(2)その課題を解決するのにふさわしい数値目標と取組を盛り込んだ行動計画の策定・届出・周知・公表
(3)自社の女性の活躍に関する情報の公表
※これらの詳しい内容・項目については、厚生労働省のホームページをご確認ください。 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html
行動計画を策定した旨の届出については、平成28年1月から都道府県労働局雇用均等室で受け付けています。
さらに、行動計画を届け出た企業の中で従業員の仕事と子育ての両立支援を図るための行動計画を策定し、目標を達成するなど一定の要件を満たした企業は厚生労働大臣の認定マークが与えられます。
このように、今、日本は国を挙げて女性の雇用促進を行っています。男女雇用機会均等法が制定され、労働における男女間の差別を取り除く動きが始まりました。
これを受けて求人広告でも「ポジティブアクション」という取組を行っています。
それでは、今回のコラムではこの「ポジティブアクション」についてご説明します!
ポジティブアクションとは、固定的な性別による男女の役割分担意識や過去の経緯から
○営業職に女性はほとんどいない
○課長以上の管理職は男性が大半を占めている
等の差が男女労働者の間に生じている場合、このような差を解消しようと、個々の企業が行う自主的かつ積極的な取組をいいます。
求人広告におけるポジティブアクションの例をあげると、
「女性歓迎!【ポジティブアクション募集】」
「女性用休憩室完備【ポジティブアクション募集】」
といったものがあげられます。
通常「女性歓迎」や「女性のみに適用されるメリット」は 男女差別に当たりますので、表記することはできません。しかし、ポジティブアクション募集であることを表記すれば「女性を優先的に取り扱う措置」の表記が可能です。
※ただし、ポジティブアクション募集においても住宅に関する待遇の差は不可。
また、このポジティブアクション募集が認められるのは、特定の雇用管理区分において女性が4割を下回っている場合のみ。そして、女性が多い雇用管理区分において男性を優遇したい!という場合は適用されませんのでご注意ください。
例えば、営業職(総合職採用)が男性10名、事務職(一般職採用)が女性3名の企業で事務職を募集する際にポジティブアクションを利用することはできるのでしょうか。
答えは「No」です。
なぜなら、ポジティブアクションとは前述のとおり「固定的な男女の役割分担意識や過去の経緯から男女労働者間に事実上生じている差を解消すること」を目的に行なわれる取り組みのことです。
例えば男女を総合職で採用し、営業職に女性を配置していなかった場合はこのポジティブアクションが利用可能です。
先程の例であれば、
営業職男性10名、事務職女性3名
⇒営業職募集でのポジティブアクション可
⇒事務職募集でのポジティブアクション不可
ということですね。
それでは、今回のおさらい。
【POINT1】ポジティブアクション表記は女性にとってメリットとなることに使用可能!
【POINT2】女性が特定の雇用管理区分において4割を切るときのみ使用可能!
「理系女子(リケジョ)」という言葉が生まれたように、現在、一昔前には女性が働いていなかった職種を希望する女性も増えています。
「この職種は男性じゃないとできないだろう」という固定概念を捨てることによって 職場環境の改善や、人材不足の解消ができるかもしれませんね。
また、女性活躍推進法の内容などについてはこちらをご覧下さい。