人材関連コラム
時代の変遷とともに、男性にも育児休暇を取得する人が増えてきました。
2015年6月に厚生労働省から発表された「2013年9月30日~2014年10月1日育児休業取得率」では女性の取得率が86.6%、男性の取得率は2.30%という結果に。
この「男性の育児休暇取得率2.30%」をあなたはどう考えますか?
実は、この数値前年度より0.27%上昇しているものの政府が目標とする「2020年までに男性の育児休暇取得率13%」にはまだまだ及びません。また、前年同様の伸び率が続いても2020年までに目標値を超えることは難しいのではないでしょうか。
国を挙げて推奨している男性の育児休暇。今後も少しずつ増えていくことでしょう。
というわけで今回は、育児に関する休暇や制度に関して書かせていただきます。
原則的に、無期契約で雇用している社員が育児休暇の取得を申請した場合、会社が拒否をすることはできません。育児・介護休業法では、「子供が1歳になるまでの間休業することができる」と定められています。
ただし、以下(1)(2)のいずれかに該当する場合は特例として子供が1歳6か月に達するまで育児休業ができます。
(1)保育所への入所を希望し、申し込みを行っているが子が1歳を迎えた以降も当面入所ができない場合
(2)子の養育を行う配偶者(育児休業に係る子のもう1人の親)でなお且つ1歳を迎えた以降育児を行う予定だった者が死亡・負傷・疾病・離婚などによって育児を行うことができなくなった場合
また、アルバイト・パートタイマー、契約社員・派遣社員であっても、以下2つの条件を満たしているならば育児休業を与える必要があります。
(1)1年以上同じ事業主に雇用され続けている
(2)子供が1歳を超えても引き続き雇用が見込まれる(その子供が2歳になるまでに労働契約が満了し、更新がないことが明らかである場合を除く)
雇用主は、3歳までの子を養育する労働者が希望すれば短時間勤務制度(1日6時間)を設ける義務があります。これはあくまで労働者が希望した場合、であり子供がいるからといって、雇用主側で労働者に短時間勤務を強制することはできません。
なお、短時間勤務制度を申請するには以下のすべての条件に該当する必要があります。
1.3歳に満たない子を養育する。
2.1日の所定労働時間が6時間以内ではない。
3.日々雇用される者ではない。
4.短時間勤務制度が適用される期間に育児休業をしていない。
5.労使協定により適用除外とされた労働者でないこと。
※変形労働時間制の適用される労働者については、「1日の所定労働時間が6時間以下」とはすべての労働日の所定労働時間が6時間以下であることをいい、対象となる期間を平均した場合の一日の所定労働時間をいうものではありません。
小学校就学前の子供が病気やけがをした場合、看護のための休暇として子供が1人であれば年5日まで、2人以上であれば年10日まで取得が認められています。
※ただし、日々雇用される労働者・勤続6か月未満・週所定労働日数が2日以下の労働者は対象外
育児(小学校就学前)や介護を行う労働者(男女問わず)が請求した場合、事業の正常な運営を妨げる場合を除き深夜業務をさせてはなりません。
ただし、例外事項もあります。
・日々雇用される者
・勤続1年未満の者
・深夜に育児・介護できる同居の家族がいるもの
・1週間の所定労働日が2日以下の者
・所定労働時間すべてが深夜の者
※所定労働時間とは、就業規則や雇用契約書で定められた労働者の労働時間のことをいう。
今までは厚生年金・健康保険等の保険料は産前産後休業中も納めることが必須でしたが、平成26年4月1日より、産前産後休業中の保険料が免除されることとなりました。
具体的には、事業主の届出により、「産前産後休業を開始した日の属する月からその休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間」において、被保険者及び事業主負担の保険料が免除されます。
それでは、今回のおさらいは2点です。
優秀な人材に末永く働いてもらうためにも、福利厚生の体制については長期的な視点で考えていきましょう!
【POINT1】育児・介護休業法において「子供が1歳になるまでの間休業できる」ことは性別問わず定められており、これを拒否することは原則できない。
【POINT2】育児休業復帰後も労働者の希望により、育児を支えるための措置を行う必要がある