人材関連コラム
チーム目標の達成、メンバーの心身の健康への配慮、離職防止など、マネジメント職の負荷は時代と共に増大しています。
しかし、このような悩みが「言い方」1つで解消するとしたら…。
今回は、コンサルタントHさんのお話をピックアップしつつ、この問題を解決する糸口をご紹介していきたいと思います。
まずは、某飲食チェーン企業人事部長さんの事例。
スタッフによると、その部長は「業績低迷店の立て直し人」という異名をお持ちとのこと。
部長が業績低迷店に赴任すると、どの店舗もメンバーがイキイキとし、業績をみるみる回復させてきた実績がそう呼ばせているそうです。
なぜ、こんなことができるのでしょうか。
コンサルタントのHさんが「立て直し人」の部長さんに、その秘訣をお聞きしたところ…
「困りましたね。特別なことは何もしてないんですよ。
1日2日、そのお店の一人ひとりの動きを観ていると、ちょっとズレているところがある。そのズレを見つけて伝え、スタッフはそれをやってみる。
すると、前よりもスムーズに動けたり、ミスが減ったりする。そうすると本人の表情が明るくなる。明るくなったら『できたね』と声をかける。
例えば、そのズレはささいなことです。
お客様が入店されたときの『いらっしゃいませ』のお声がけ。お客様に体を向けていない人がいる。そういう人が、お客様に『いらっしゃいませ』と体を向けて言えるようにする。それだけなんです」
とおっしゃっていたそうです。
何とも単純明快なご回答ながら、単純なことほど実行するのが難しかったりもしますよね。
一方、Hさんは真逆の「部下が離れていくタイプの方」も数多く見てきたそうです。
こうした方の傾向としては、ルールや原則を重視する「~~すべき」「当たり前」や批評的な「○○は××だな」などの言葉を多用しているそうです。
ためしに「立て直し人」の部長さんの事例に当てはめてみると、あいさつができていない人を指導する際
「お客様がご来店されたらすぐに『いらっしゃいませ』と言うべきだ。角度はこうだ」
という言い方をし、加えて「○○はあいさつ1つ出来ないのか」と批評するわけです。
お客様が入店された時の「あいさつ」というシチュエーションは同じでも、自分から行動を変えてみようと思える「言い方」と、言われたからやるという「言い方」、そこには大きな違いがあるのです。
そもそもコンサルタントのHさんは「~~すべき」と考えるタイプで、そのため、メンバーと衝突したり成果が出なかったりすることがあったようです。
しかし、このことに気づいてから「成果がでないことや、仕事にやりがいを感じられず辛いのは、メンバーだ」と考えるように努力し、以来「どう言えば、相手が動きやすいだろうか?」と考えてから接するようになれたそうです。
するとメンバーとのチームワークが良くなったのはもちろん、自分の精神的な負担が大幅に軽減され、イライラすることがほとんどなくなったということです。
今回のコラムにおけるポイント
いかがでしたか?
いわゆる、ティーチング・コーチングという視点でも考えられますね。
部下のマネジメントとして「コーチング」は以前から耳にするワードですが、根底にあるものは「コミュニケーション」。
ルールをかみ砕き、コミュニケーションを通じて相手の心に落とし込む、そんな上司としての心遣いが必要とされる時代なのです。
弊社では管理職の方々のこうした取り組みの一助となるべく、本当に重要なポイントを簡単かつすぐ実践できる方法をお伝えしています。ぜひお気軽にお問い合わせください!