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日本の有給休暇取得率は低い?

日本の有給休暇取得率は低い?

目次

  1. 日本の有給休暇取得率は低い?
  2. 労働法上の休日
  3. 低い有給休暇の取得率
  4. これからの休暇取得
  5. まとめ

日本の有給休暇取得率は低い?

今年から8月11日(山の日)が祝日に指定されたことにより、 日本の年間祝日数は既存の15日から16日に増えることになりました。
これは、ちょうど50年前の1966年の祝日の数(11日)と比べると、 50%も増加したことになります。
諸外国をみてみると、フランスが11日、アメリカが10日、 ドイツ、オーストラリア、スイスが9日、 オランダ、イギリス、カナダが8日であることを勘案すると、 日本の祝日の数は先進国の中では多いことがうかがえます。
このように祝日の数が多いにも関わらず、 日本人の年間休日数は他の国と比べて決して多くないのです。
その最も大きな理由は有給休暇の付与日数や取得率が 他の国と比べて相対的に少ないことにあるようです。

労働法上の休日

日本の労働基準法35条1項では、 「使用者は、労働者に対して、 毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」と規定され、 労働法では1日8時間、1週間に40時間を法定労働時間として定められています。
労働者が法定労働時間、 つまり1日8時間、1週間に40時間だけを働く場合は、 「完全週休2日制」が適用されることがほとんどになるでしょう。
ちなみに「完全週休2日制」とは文字通り、 毎週必ず2日の休みがあることを意味します。
厚生労働省の調査結果によると2015年現在で 「完全週休2日制」を実施している企業の割合は50.7%であり、 現在も少しずつ増えている傾向にあるようです。

低い有給休暇の取得率

「完全週休2日制」が適用される労働者の場合、 祝日を含めて1年間約120日が休め、 有給休暇(10日~20日)を加えると、最大約140日も休めることになります。
しかしながら、「完全週休2日制」が適用される企業は 上述のとおり50.7%ほどなので、 すべての労働者が年間140日を休めてはいません。
さらに、有給休暇の取得率が低く、 多くの労働者が長時間労働にあえいでいるのが日本の現状ではないでしょうか。
日本政府は有給休暇の取得を奨励しているものの、 2014年の有給休暇の取得率は47.3%で、 2004年の46.6%に比べてあまり大きく改善されていないのも現実のようです。
このように、日本の労働者の有給休暇の 平均取得率が改善されていない理由としては、 過去に比べて祝日数が増えたことや 「完全週休2日制」が少しずつ普及されているなど、 全体的な休日数が増えたことも一つの原因として考えられるものの、 根本的には職場や同僚に迷惑をかけることを懸念したり、 上司が休まないので有給休暇を取りづらいケースが多いようです。
厚生労働省が2014年に実施した有給休暇の取得に関する調査によると、回答者の 68.3%が有給休暇の取得に対して「ためらいを感じる」と答えているそうです。

これからの休暇取得

労働者がなかなか有給休暇を取れない日本的な状況を考慮し、 労働者の休む時間を一律的に増やそうと、 政府が祝日を増やしているのはよく理解できます。
日本人の年間総労働時間は1994年の1,910時間から 2013年には1,746時間まで減少したようですが、 パートタイム労働者を除いた一般労働者の 2013年における年間総労働時間は2,018時間で、 1994年の2,036時間と大きく変わっていないのが現実のようです。
このような長時間労働は過酷労働や過労死に繋がる恐れが高いものの、 まだ日本の長時間労働が「当然である」という意識が根強く残っており、 暗黙的に長時間労働が強いられている企業も多いと思われます。
少子高齢化の進展により将来の労働力不足が懸念される中で、 長時間労働が理由で若者や外国人労働者が日本企業を回避することになると、 日本企業のみならず、日本の成長戦略にもマイナスの影響を 与えることは避けられないのではないでしょうか。
日本の長時間労働やそれによる弊害を減らすためには現在、 政府が推進している働き方改革に企業が足並みを揃えることも必要ですね。

まとめ

今回のコラムにおけるポイントは、以下の3つ。
【POINT1】労働法上の休日
【POINT2】低い有給休暇の取得率
【POINT3】これからの休暇取得
いかがでしたか?
現実的にはなかなかハードルが高いと思われがちですが、 長時間労働の風土を直し、より働きやすい職場環境を 整備することが大事なのではないでしょうか。

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